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ITエンジニアの転職学の読書日記

はじめに

今回はキャリアの本を読んでみました。 別の本を先に読んでいたのですが、すらすらと読み進めることができてこちらの本を先に紹介することになりました。

ITエンジニアの転職学 ITエンジニアの転職学 2万人の選択から見えた、後悔しないキャリア戦略 2025/10/24 講談社

今すぐ転職したいというわけではなく、常日頃自分の今のポジションはこれでいいのか、市場価値はどうなのか、この先何をやっていくのがいいのか・何をやりたいのかを考えていて、一旦客観的に今の自分のポジションを見つめ直すいい機会と思いまして、この本を手に取りました。

内容メモ

目次の通りではあるのですが、1章はIT業界の転職状況、2章は年収、3章は業態ごとに歩めるキャリア、4章は年代別のキャリア、5章は転職のタイミング、6章以降は転職の進め方といった感じです。 6章以降とざっくり言ったのは、職務経歴書の書き方や面談の仕方など、いざ転職するときになったら読む章で、一回転職を経験している私には今は読む必要がないと思ったからです。もちろん、忘れないうちに職務経歴書を更新することは重要ではありますが。

1章

ITエンジニアは自社内で昇給を待つより転職したほうが給料が増える「バグ」がある

この本では、優秀な人は上位グループの給与テーブルを求め、企業はその上位グループの給与テーブルに追随できないため、結果として転職したほうが給料が増えるということが示されています。まさにその通りだなと思いつつ、ポストが詰まっているというのもあるのかなと思いました。

ITエンジニアにとっては自分の専門領域をアップデートし続けるだけでなく、景気・金融・企業の投資傾向などマクロ環境に常にアンテナを張り、自らのキャリア戦略を柔軟に見直すことが重要になります。

最近ちゃんとアンテナを張れていないなと思い、自分の戒めのために記載します。

「儲かるプログラミング言語に踊らされない」

平均年収で見るだけでなく、各言語の利用率で見ると、利用者の割合が低い言語ほど平均年収が高くなるという負の相関関係があることを説明しています。比較的新めの言語なのでそうだろう、だから希少価値があって高いのかなと思っていました。著者の主張は、高い収入を得られるような資質を持つITエンジニアが、結果として利用者の少ない新しい言語を習得していると、因果関係は逆だと主張しています。JavaやPHPは歴史が長く、初学者にも手厚いサイトが多いため、利用者層が幅広く、結果として平均年収が下がっているとも言っています。納得です。

2章

引用はできませんが、この章で一番印象に残っているのは8つのキャリアパスの図です。横軸は個の力か組織力か、縦軸はユーザ・事業・組織課題を解く力か技術課題を解く力かで8つのキャリアをマッピングしています。 続いて、各キャリアで求められる能力を説明していますが、中でも

隣り合うパス同士は、求められるスキルセットに共通点が多くススキルセットに共通点が多く、比較的スムーズな移行になります

が目に留まりました。なぜなら、私自身ずっとSREというつもりはなくいつかポジションを変えたいなと常日頃考えていて、考えの参考になったからです。 何が共通して、何が全く異なるのかを知っておくことで、このポジションに行くためには自分の強みをどう活かせばいいのか、逆にどこが足りなくて何を補わないといけないのか考えるいい機会になりました。

年収別に求められる能力についても解説しています。自分が頑張りたいことだけ列挙しておきます。

  • 英語を学ぶ
  • 経営を学ぶ
  • 流行よりもコンピュータサイエンスの原理を押さえる
  • 火事場に飛び込む

海外のITエンジニアコミュニティでは、「エンジニア/マネージャーの振り子」というキャリアモデルが紹介されています

確かに、これいいかもと思ったのでメモしておきます。

  1. 新しい職種の登場は、一時的なプラクティスの探索段階として捉えるべき
  2. 技術の成熟に伴い、自然と近隣職種との融合が進む
  3. 純粋な技術スペシャリストとして残れるのは、ごく一部である

これは新しい職種についてというコラムに記載されていました。確かにIT業界にいるとフルサイクルエンジニアやスタッフエンジニアなど新しい職種を聞く機会が増え、これからもどんどん生まれるのだろうなと感じます。自分も新しい職種を聞くといいなあ、これになる?など考えることがあります。 ただ、このコメントをみて、自分は近隣の職種をよく勉強して範囲を広げていっていて動きも同じだから新しい職種に振り回されず、自分がやりたいことを淡々と進めていけばいいと改めて認識できました。

4章

3章は業態別のキャリアについて説明していますが、だいたい把握していることなので割愛します。4章は、年齢別のキャリアです。20代はこれやっておけばよかったなあと思ったり、これを貫いてよかったなあとしみじみと思いながら読み進めていました。

30代は得意領域を広げることが重要と説明しています。自分は色々なことに手を出して器用貧乏になりがちなので、年末年始のブログの中で、自分の強みを振り返り、次は何を伸ばすのかを決めようと改めて思いました。

40代についても参考になりましたが、また市場がどのようになっているのかわからないので、参考程度に読みました。

感想

以上、簡単ですが、自分が残しておきたいことをまとめました。 自分が捉えているIT業界の市場・求められる能力との乖離がほぼなかったので安心しました。なんとなくの状態ときちんと文字や図にして理解することは全く違うので非常に良い機会でした。また、様々な本、データに基づいて説明していて、特にところどころにあるコラムが面白く、引用しているものを何個かストックしました。キャリアに正解はないので、求められるものを随時アップデートしていくこと重要なので、これからも時々こういう本を読んでいきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。